木育の歩みと、私たちの考える木育

本館に先立って復興された宮城県名取市子供図書館「どんぐり子ども図書室」。同県内で作られた組手什の本棚が並びます。

木育とは

木育という言葉を聞かれたことがあると思います。

北海道庁が平成16年9月に始めた「木育プロジェクト」で提案された新しい教育概念とされています。しかし、木の温もりを子育てに活かそうという試みは古くからあります。デザインの素晴らしさと完成度の確かさで世界から高い評価を得ているスイスの玩具メーカー「ネフ社」は、家具職人だったクルト・ネフさんが1962年に創立した会社です。カエデ・ブナ・ナシなどを素材とし、自然の着色料を中心に自然環境や人体に危害を与えない合成塗料を用いて美しく塗装され、口に入れても安全。ヨーロッパの安全基準であるCEや、子どもたちにとっての良いおもちゃの基準であるシュピールグートの認定も受けています。

 

広がる木育の世界

北海道庁の木育プロジェクトは、木を使った子育てを行政の施策として始めて体系付けるなど画期的な事業でした。反響は大きく、同18年9月に閣議決定された「森林・林業基本計画」でも「市民や児童の木材に対する親しみや木の文化への理解を深めるため、多様な関係者が連携・協力しながら、材料としての木材の良さやその利用の意義を学ぶ、木育とも言うべき木材利用に関する教育活動を促進する」と記載され、一気に広がりました。

私たちは、組手什は、この木育の理念を実現するものものだと考えています。市民や児童の木材に対する親しみや木の文化への理解を深めるためには、木のある暮らしを取り戻すことが必要あり、そのためには、木を使う暮らしを始めなければなりません。

 

組手什こそ木育

組手什は釘や接着剤も使わず、思いを形にできる家具組立キットです。自由な大きさの自由な形の家具を創ることができます。どんなものを創るか考え、そして、現実に形にしていくことは、子どもたちの想像力と創造力を育んでくれます。家庭や学校で、どんな家具を創ろうかと親子で、あるいは、先生と生徒で話し合い、木の手触りを楽しみながら組手什を組み立てることは、木育そのものなのです。しかも、釘や接着剤を使わないので、何度でも組み直して使うことができ、暮らしの中で使い続けることができる木製家具ですから、木のある暮らしを続けることができ、継続性のある木育となります。

 

組手什は無垢の木

組手什は鳥取県の銘木である智頭杉の端材や間伐材を智頭森林組合で胴縁(角材)に加工したものを削ったり、切断したりして加工したものです。防腐剤や防虫剤などは一切していません。無垢な木製品です。外国産の木製家具もたくさんありますが、輸入した外材を使ったものの中には、木材を国内へ輸送するときに腐れたり、虫が食べたりするのを防ぐため、防腐剤や防虫剤を散布したものもありますが、こうした心配が組手什には一切ありませんから、安心して木育に使っていただけます。その点でも、組手什は木育に最適です。

 

組手什ブロックの開発

私たちは組手什を使ったワークショップを各地で開催していますが、お兄ちゃん、お姉ちゃんがブックスタンドやラックなどを作っている間に、一緒に来た小さな妹や弟たちが組手什の切れ端で熱心に遊ぶ場面によく出くわしました。組手什は積み木と違い、組手と組手とをしっかり組み合わせることができますから、子どもたちは自分の背の高さを超えるお城やロボットを作り上げていきます。これは知育玩具になる。そう確信しました。

しかし、無垢の木だと小さな子どもの手は柔らかく、木屑が手に刺さることがあります。そこで、表面をサンドペーパーで加工し、木屑が刺さることのないようにしました。それがkudejuブロック(クデジュウブロック)です。子どもたちは木槌でトントン音を出して創るのが大好きです。間違って手を叩いても怪我をしないように軽量化し、柄も短くした木槌も開発しました。

 

価格の秘密

原材料は智頭杉の無垢材ですが、切れ端の再加工ですから、市販の積み木など木製玩具に比べ、非常に安い価格に抑えることができました。積み木やブロックは数が少ないと子どもたちの楽しみは半減です。たくさんのkudejuブロックで思い切り遊ばせてあげて下さい。