救援、復興の場で

阿蘇市に設けられた熊本地震の避難所では、鳥取から持っていった組手什を一の宮中学校の生徒さんと一緒に組み立てました。

発災直後の熊本へ

熊本地震が2016年4月14日発災しました。私たちはライトバンに電動ノコギリと詰めるだけの組手什と積み込み、27日夜に鳥取を出ました。九州自動車道は分断されていましたが、鳥取県と智頭町が緊急支援物資運搬車両の指定を出してくれたお陰で優先レーンを通行でき、28日早朝には熊本に到着。早速、九州森林インストラクター会の皆さんに講習会を開催しました。

 

自由自在と大好評

「簡単にできるちゃね」「こりゃ、良かたい。大きさも形に自由自在たいね」。集まってくれた森林インストラクターの皆さんが肥後弁で簡単の声を挙げてくれました。私たち賀露おやじの会は、被災地での組手什の必要性の調査のための先遣隊として熊本に乗り込んだのですが、森林インストラクターの皆様との出会いが、熊本地震の支援活動の大きな力となったのです。

 

被災地各地を訪問

私たちは宇土市役所で元末茂樹市長、御船町役場で藤木正幸町長にお会いして、組手什の組立を実演。レスキュー九州が支援拠点としている五ヶ瀬ドームボランティアセンターで組立講習会を開催し、支援活動について意見交換をしました。さらには阿蘇市役所で環境省の支援チームの皆さんと阿蘇市内での支援活動についてお話をお聞きし、一の宮小学校の避難所も訪れ、同中学校の皆さんと組手什の棚を組み立て、さらには、被災児童を支援している「なみの高原やすらぎ交流館」で望月克哉館長、「(一財)学びやの里」の江藤理一郎事務局長ともお会いして、組手什の組立も実演させていただきました。

 

場所で異なる用途

先遣隊として分かったことは、大量の支援物資が届けられるものの、整理棚が足りず、しかも、大きな余震が繰り返して発生し、安定の悪い棚は何度も転倒し、支援物資はダンボールのまま床に置かれ支援物資の整理が大変だということです。組手什は形を自由に変えらます。棚の基部だけ倍の幅にし、飲料水など重たい物資を置くことで余震に耐える工夫をしたことで、問題を解決すると、大変喜ばれました。施設や避難所ごとに必要なものが違うこともわかりました。ベビーベット、傘立て、腰掛けと要望に応じた家具を組み立てると、皆さん、「これなら使える」と異口同音に話していただきました。

 

国土緑化推進機構と連携

以後、愛知県や宮城県で組手什を制作している仲間が熊本入りした他、九州森林インストラクター会は、私たちから届けた組手什を持って各地の被災地を訪れ、被災者の希望に添って組手什を組み立てて下さいました。支援センターの整理棚が、避難所では腰掛けになり、仮設住宅ではテレビ台になるなど釘や接着剤を使わず、組み換え自由という組手什の特性も遺憾なく発揮されました。組手什の支援活動は国土緑化推進機構が、みどりの募金を使って支援もしていただきました。

 

ウッドデザイン賞受賞

東京ビックサイトで2016年末に開催された国内最大の環境展「エコプロダクト2016」では、こうした支援活動が評価され、ウッドデザイン賞ソーシャルデザイン部門で、審査委員長賞を頂き、記念シンポジウムでも、モーニング娘6代目リーダーの高橋愛さんが、印象に残ったウッドデザイン賞受賞作に選んでいただきました。

 

救援物資として検討ください

組手什は釘も接着剤も使わず、使う組手什の長さを変えることで大きさも、形も自由に変えられます。しかも、杉材ですので非常に軽いのも特徴で、救援物資に最適です。東日本大震災でも、3万本の組手什で被災者支援に取り組み、その有効性を高く評価いただきましたが、熊本地震でも救援グッズとしての有効性を改めて評価していただきました。災害対策を検討されるときは、救援物資として組手什を検討いただきたいと存じます。